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10年後の賃料下落ってどの位?
管理をお受けする時に、投資家の皆様から多く寄せられるご質問です。
そして、即時回答します。
「わかりません」
ええ、胸を張って、自信をもって、笑顔でお答えしております。
…これだけだと本当にちょっとアレな人のようなので、ロジックは下記の通りです。
10年という予測で考える場合、社会情勢・政治という社会的な大枠の影響が不明瞭であること、商業施設の閉鎖や土壌(液状化)などに関する近隣分析にネガティブな情報が発生する可能性、隣地に建て替えが発生し、日照等に関するネガティブ情報の発生による超近隣分析が及ばなくなる点、金融情勢が大きく変化し、市場に影響する可能性…etc。
それでは、どのくらいまでなら予測がつくのか?答えは、「5年」です。これは私の保有する資格、CPMでも明示しており、それ以降の分析に関しては基本的には行いません。ちなみに、CPMでは建物の陳腐化等を加味して1%を毎年下落させていく…という手法もありますが、地域や要素によっても変化する点、一棟一棟の個性を見て改善ポイントを探るという点から、「下落予想」ではなく、上昇も含めた「変動予想」を行っています。
実際に弊社の管理物件では15年間家賃が下落も上昇もしていない木造アパートや、一過性の下落を繰り返したいわば「賃料の陳腐化」が発生した建物は、少しの資本改善と集客アレンジをおこなう事で、むしろ上昇したり。
当然ながら、金融機関に提示するための概要書とは異なります。あくまでも現況に即した、現実的な路線での評価です。そのために、なんとなく…の査定書ではなく、希望値があれば反映するし、何も無ければ見つけ出してブラッシュアップし、上昇に向けて動くような形になります。
つまり、10年後の下落ってどの位?ではなく、10年後ってどういうイメージを持っている?が正しい質問であり、イメージをオーナーと運用者(管理会社)で共有することが、最も重要なことだと考えています。