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ロフト メゾネット グルニエ とは?
ロフト メゾネット グルニエ … 不動産の不思議
「 ロフト 」「 メゾネット 」「 グルニエ 」 ってなんだろう。そんなお声を多くいただいております。札幌の賃貸では色々と独特なワードがありますが、それは全国共通とは限りません。しかし、不動産業界全体の用語のように使っているエージェントや管理スタッフも多く、物件を探している方がその違いに困惑することもしばしばあることでしょう。今回はその違いについて記述します。
「グルニエ」と「ロフト」
グルニエはフランス語で「屋根裏部屋」という意味です。なお、ロフトは英語で「屋根裏」を指すものであり、本来の意味はほぼ同義となります。
ロフトに比べてグルニエは一般的には馴染みのない言葉ですが、賃貸業界におけるロフトとの違いは「はしごタイプ」か「階段タイプ」の二分になる傾向にあります。はしごタイプがロフト、階段タイプがグルニエですね。
グルニエははしごタイプを階段タイプにリフォームしたときのみ名称が変わる傾向にあり、一般的には新築でグルニエと呼ばれることはほぼありません。また、グルニエのタイプはいくつかバリエーションが存在し、
- 通常の階段タイプ
- 収納スペースが階段下に設置されているタイプ(写真のもの)
- 収納スペースに加えて、階段部分にも収納を備えているもの
など、デザインだけではなく機能性を追加したものがあります。非常に優れたグルニエですが、設置場所や設計によっては階段が急傾斜になっていて慎重に昇降しなければならない…というケースもあるのでそういった点はデメリットです。しかし、それを補ってあまりあるメリットがあるのでオススメの設備です。
「 メゾネット 」 とは
さて、それではメゾネットとは。
フランス語で「小さな家」を意味する、それがメゾネットです。英語ではデュプレックス型アパートメントを指しますが、スーモなどのポータルサイト上でも「メゾネット」という検索項目があるため、基本的にはメゾネットという呼称になります。また、同義としてテラスハウスという表現もありますが戸建て寄りの作りをしているものがテラスハウス、アパートの中に上下階で2フロア間をアクセスするようなものがメゾネットというイメージになりますが…この違いについてはあくまでも感覚的なものになるために大きな違いはありません。
ロフトとの違い
メゾネットとロフトの大きな違いとして、明確にフロアが分かれることです。つまりロフトのように屋根裏部屋という概念はメゾネットではなくなり、完全に上下階で居住できる部屋を備えるものをメゾネットと言います。
建築基準法上、ロフトは最大で高さ1.4Mまでのスペースを指し、床面積にも合算できない小屋裏、物置としての位置づけになります。天井高も確保されているために、床面積にも参入されて居住できる有効な空間が大きく確保できることが魅力の一つです。
上下階に分かれることで騒音問題の軽減やプライベート性の確保にも優れ、1LDKタイプのメゾネットでは二人入居程度であればしっかりとお互いの距離感を保つことが出来るために昔から人気の高い条件です。
メゾネットのいろいろ
上記の画像の通り、メゾネットにもいろいろなタイプが存在します。良い面も多々あるメゾネットですが、無理やり空間を確保すべく設置した階段も少なからず存在し、そういったタイプは当然ながらグルニエ同様に階段が急傾斜になります。地下に入るタイプのメゾネットに多く見られるタイプで、体を横にしないと滑り落ちそうなほど踏面部分が狭いタイプのものもあるので、ここは出来れば現地内覧を行って体感しておきたいポイントです。
上階に居室がある場合は1Fの暖房熱が上部の天井、つまり2F居室の床に上昇するので暖かさが伝播し易いというメリットがあります。ただし、地下に居室がある場合は、かなりの冷え込みが予想されるでしょう。また、地下であるがゆえに湿気がこもりやすく、油断するとカビが発生するので換気には十分な配慮が必要です。
階段にもタイプが色々あり、一般的な階段式のほか、螺旋式などバリエーションは様々。デザイン性に優れたタイプの階段もあるので、ぜひ見比べてみてください。
まとめ
- ロフト … ハシゴ式、屋根下の空間
- グルニエ… 階段式、屋根下の空間
- メゾネット … 階段式、居室が完全に2層に分かれるタイプ
札幌で賃貸物件を探す場合は、こんなイメージで覚えておくとよいでしょう。厳密にいえば違いは多々ありますが、深く考えない方が楽しく探せる上に、不動産エージェントによって説明と概念がかなり異なるのであまり気にしない方がよさそうです。