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今年の大注目!エアコン付き物件(2/2)
第二段のエントリー
前回のエントリーに引き続き、今回も札幌のエアコン付き物件の選び方をお伝えします。読み応えたっぷりのボリュームですので、どうぞお楽しみください。
一般仕様?寒冷地仕様?
通常、壁掛け式や天井カセットタイプのエアコンにはエアコン機器と室外機がセットとなります。雪国ではこの室外機が厳寒期に凍結してしまうことも多く、その能力を十分に発揮することが出来ません。また、暖気のための負荷が重くなる傾向にあるために故障の可能性も高まることが特徴でもあります。
寒冷地仕様エアコンはそういった通常のエアコンを厳寒期でも使用できるように徐霜ヒーターが室外機に搭載されていたり、モーターもパワフルな仕様で最大60℃の温風が排出されるなど、ストーブ代わりとして寒冷地でも十分に活躍できる高機能なエアコンです。
高機能である分、設置費用も高額です。通常のエアコンの1.5~2倍以上の費用が掛かるために賃貸物件では中々目にすることは出来ません。また、費用だけではなく室外機も大型になるために場所を確保することも容易ではなく、色々と設置にはハードルが高い現状です。
そのため、寒冷地仕様のエアコン設置がされている物件はかなりユーザビリティを意識した「良物件」という見方も出来ます。エアコン付きの物件選びの一つの参考にするとよいでしょう。
自分でも設置できる?
札幌の物件では前述のとおり、現状ではエアコンが設置されている物件が多くありません。では、自分で設置することは可能かどうか。結論としては、「設置可能」です。ただし、条件はいくつかあるので注意が必要です。
エアコンの種類、位置、電源
住居用のエアコンには大きく2種類に分かれ、壁掛け式とウィンドウタイプがあります。一般的には壁掛け式が主流で、
- 設置できるスペースがあるか
- 電源が近くにあるか
- ブレーカーの容量が足りているか
設置にはこれらの要素を満たす必要がありますが、電源やブレーカーは後からでも容量やコンセントを追加することでカバーすることも可能です。
設置スペースは要注意で、余裕があるように見えるスペースでも「天井・左右から5cmずつ」離して室内のエアコンを設置する必要があるため、カーテンレールが干渉しないように気を付けましょう。
電源の容量は最低でも30A以上は必要でしょう。一人暮らし用のエアコンなら6A~が必要で、IHヒーターなどをキッチンで使う場合はその2つだけでも20A近くは必要になります。毎回ブレーカーが落ちないように計算しながら節約するのも一つの手ですが、わずか数百円で安心が手に入るのでできれば余裕を持った容量設定をお勧めします。
原状回復費の目安
ご自身で賃貸物件にエアコンを設置した場合は、原状回復が必要です。復旧には2つの工程が必要で
- 下地修繕と石膏ボード修復
- 壁紙張替(一面)
これらが必要になります。
お部屋の状況にもよりますが、一般的には1.5万~2.5万がエアコンの原状回復に必要と捉えておくとよいでしょう。また、それ以外にもエアコン本体の撤去費用も掛かることをお忘れなく。
置いていくのはNG?
前回のエントリーの中で、「残置物」という箇所にあたるのがここでいう置いていく、という行為で発生するものです。貸主の許可がもらえれば置いていくことも可能で、その場合は原状回復費用は発生しません。次の引越し先に予めエアコンが設置されていて、持っていっても使えないという時にはこういう手法も一考の余地ありです。(シャワートイレや照明などでも同じように残置交渉をすることもあります)
買ったばかりだから、無償譲渡ではなく貸主に買い取ってほしい…いわゆる「買い取り請求」はほとんどの契約書に受け付けないという記述がありますので、期待は薄いでしょう。
短い期間の夏
最後に、いっそのこと設置しないという選択肢もあります。北海道の夏は非常に短く、もっぱらエアコンが必要になるのは7月~8月の2か月間に集中します。風通しが良いお部屋なら夜は窓を閉めないと寒いくらいで、熱帯夜が少ないためにエアコン自体を我慢して扇風機などで代用することも一つの選択肢です。
また、最近はスポットエアコンという商品も発売されています。床置きで少しボリュームのあるエアコンですが、室内の冷え方は抜群のために壁掛けエアコンが設置できず、暑さに悩まされている方にはお勧めの商品です。
快適に過ごすためにも色々な選択肢がありますので、楽しく比べながらエアコン付き物件を選んでみましょう。