SPECIAL TOPICS
岩見沢のマチに、タフトと新しいビルが誕生します
岩見沢の魅力と、新築PJが立ち上がった経緯
11月10日、とある建物がいよいよ完成を迎えようとしています。構想からおよそ2年近くが経過し、様々な想いが交錯した今回のプロジェクトですが竣工をもって「企画のおわり」と「運営のはじまり」が同時にやってくる…そんなプロジェクトについて今回は記しておきます。
2018年ごろより、岩見沢で不動産活用や土地建物の仲介、不動産管理の相談を受けることが多くなりました。この岩見沢という地域ですが、我々がホームグラウンドとする札幌からは電車で25分、車では高速を使って45分~50分とさほど遠くはありません。都市間高速バスを使えば札幌駅までも一本です。小樽や千歳と距離感はそう変わらず、岩見沢からは札幌に通勤する方も少なからずおられるようです。北海道内179市町村のうち、12番目の人口(7.8万人)を誇り、現時点では14位の北広島市(5.8万人)よりもやや規模は大きめで、人口でいえば室蘭や千歳と似たようなサイズの都市です。
ただ、他の地域に比べてなんというか、心の距離感は少し遠く感じます。北海道随一の遊園地である北海道グリーンランドやワイン農園など、見所やアクティビティもあるものの観光資源が他地域に比べていかんせん弱めであり、ベッドタウン的な存在であることから札幌と岩見沢の双方の交流は気持ち弱め。以前はそんな風に感じていました。(今も、ではありますが)
美しい大地・広大な空・刺激的なアクティビティを備える町、岩見沢
観光地でも観光の経由地でもない岩見沢は、千歳や小樽などの観光資源のあるエリアと比べると「遊びにいく」というプライオリティは決して高くありません。道外からの観光客はもちろん、北海道民でも行きたい・泊まりたいという話は日常的にはそこまで聞くこともありません。心の距離の一端はおそらく何があるか知らない・わからないということから始まっているのではないかと思いました。
ただ、実際に町を探索するとなかなか面白いのです。このエリア。
昭和感溢れつつもスリリングな乗り物から自然を感じながら写真撮影も楽しめる遊園地であったり、岩見沢~三笠にかけて複数のワイナリーが存在したり、スキー場があったり。
キャンプ場が併設された岩見沢公園の広大なアスレチックや、伝統的な釣り堀など自然を感じるアクティビティもたくさんあります。住みやすさと自然のアクティビティが絶妙に調和した、とても住みやすい街です(冬は豪雪なのでちょっと大変ですが)
地元企業からのオファーのもと、このエリアの分析を始めていくと岩見沢が存在する空知エリアでは様々な特徴があることがわかりました。平野と農地が続く広大な空、素晴らしいデザインの美しい駅舎、空知エリア唯一の大学所在地であり、一次産業が栄え、企業の地域間のハブとしての役割を担う興味深い地域ではありますが、バブル期を境に駅前を中心に町全体の衰退は否めないことなど、決してポジティブではない環境にある地域でした。
春夏秋冬、昼夜問わず岩見沢の町を車はもちろん自分の足でも歩き、その空気感を肌で感じました。衰退しつつあるとはいえ、その都市で住まう人々の思いはたくさん詰まっている。そして、その方々の思いに応えるならその町に店舗を構えることで本当の意味での岩見沢に関わる「タフトの本気」を伝えられると思い、足掛け5年目にして出店を決めました。
出店計画から思いもよらぬプロジェクトへ
いざ出店を決めたときに、さっそく困ったことが発生しました。なかなか出店できるようなハコが見つからない…というより、ここなら出店したいという建物がありません。古かったり、条件が悪かったり。札幌やほかの都市のように競争が少なく、リーシングに対するアレンジメントはほぼ皆無の状態でした。
リノベーションか、それともいっそ購入か。いろいろ検討している間に、今回の新築計画が立ち上がりました。地元を一緒に盛り上げていきたい、そんな気持ちから「ヤマシチ5・8スクエア」の新築計画のスタートです。
「それなら新しく建ててみようか」その一声を上げた施主は、株式会社ヤマシチ(以下、ヤマシチ。敬称略)でした。1992年に岩見沢では珍しい6階建てのビルを建築した100年以上の経歴を持つ、岩見沢の由緒正しき企業です。当時では非常に珍しいエレベーター付きの純然なオフィスビルとしてのいでたちで、1階には新築当初から現在まで名物ともいえるクリニックが入居しています。2022年には館内および外装にリニューアルを施し、テナントに対して真摯に向き合う姿勢から現在は満床が続く、まさに「岩見沢の顔」と呼んでも差し支えない佇まいの建物です。
このビルには、多くの大手企業、地元の有名・老舗企業の本社や支社が入居しています。そのため、新たな企業を迎えるには新たな箱を作る必要がある。そして他地域から企業を誘致することで雇用や移住を促進し、岩見沢の活性化に少しでも繋がることができれば…という思いから新築を決断しました。
私たちはそのお手伝いとして企画から参画し、事業計画から設計・デザインの選定、事業計画などをプランニングしています。そして、その建物にそのまま入居し、管理と運用もお任せいただく形になりました。
ヤマシチビルは岩見沢の名産でもあるレンガのカラーをイメージしたレッドブラウンをリニューアル時に採用していますが、今回はまっさらなキャンバスでこれからの無限大の未来をイメージしたホワイトに決定しました。1階には地元のパティスリーが入居し、市内はもちろん市外からも気軽に立ち寄れる建物になります。
プロジェクトチームは企画・設計・デザインを札幌の企業(タフト・inua・柏田淳建築設計事務所)が担当し、実際の建築はすべて現地である岩見沢の企業(松浦建設・共進工業・松井電設・高橋工務店・小岩冷機)が担当。地域に根差した、地元とともに歩んできた企業が一堂に会するビッグプロジェクトとなった今回の案件はただの建築企画・投資案件ではなく、町を元気にしたいというたくさんの方々の思いが詰まった計画になりました。
全ては、ここから始まる
11月10日、この建物も建築PJの終幕とともに、運用の幕開けとなり、同時にタフトの岩見沢における活動が本格的に開始します。不動産を通じてこの都市の新しい歴史の一部になるべく、一歩ずつ着実に様々な問題に対して向き合い、解決いたします。しばらくは私自身岩見沢に行く回数も増えるため、岩見沢オフィスにいることも多くなると思いますので、もしお越しの際にはいつでもお声がけくださいませ。ビル全体をご案内いたします。タフトの店内もしっかりデザイン施しましたので、皆さんの「ちょっと見に来た」をぜひお待ちしております。
現在この建物は募集中です
分割や内装工事、業種の相談可能ですので、お気軽にお問合せください。
【建物名】ヤマシチ5・8スクエア
【所在地】北海道岩見沢市5条東8丁目1-91
【構造】軽量鉄骨造地上3階建(スーパーフレーム工法)