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HOMESPECIAL TOPICS賃料ってどう決める?査定・設定のあれこれ

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賃料ってどう決める?査定・設定のあれこれ

稼働率は95%が理想的「常に満室」からの視点変更

2023年7月25日、賃貸住宅新聞に寄稿した記事

今から半年ほど前に寄稿させていただいたばかりですが、お役をいただき再び賃貸住宅新聞へ寄稿する運びとなりました。地域分析と賃料設定、稼働率についての記事を前回寄稿させていただきました。今回は稼働率についてもう少し掘り下げ、満室と空室を一般的な視点からすこし変えながら「ほぼ満室がベスト」である理由をお伝え致します。

空室期間の考えとは

多くの方々が目指す満室運営。日々様々な団体によるセミナーや勉強会が開催され、成功事例を参考に積極的に取り組まれておられる方も少なくないのではないでしょうか。我々管理会社としても所有者の利益を最大化させるというミッションにおいては高稼働運営は常に目指すところであり、重要な指標です。

周知のとおり、タフトとしての指標は95%の稼働率を推奨しており、2010年の創立以降稼働率の平均は95%を下回ったことはありません。なお、稼働率の計算は使用するソフトウェアとの相性を考えて発生主義を採用し、退去の申し出から次回の申込までを空室期間と数えています。

 

  

「90日ポリシー」とはそのユニットの退去が完了し、新たに賃料を生み出す実際の入居日の期間のことを指し、原状回復から内覧(案内)、申込、契約手続き、引渡しまでの賃料の空白期間をこの期間で消滅させることを目的としたタフト独自の基準です。建物によっての性質によりその優位性は変化し、築浅物件や立地によって異なりますがオーナーの目標によって短くなったり、時により長くなることもあります。

目標を見据えたプラン策定

キャッシュフローの増加を目標に考えたとき、全てのユニットから得られる営業利益の確保は非常に重要なものです。ただ、満室にこだわるゆえに抜け落ちてしまうポイントが2つあります。それは、「想定空室期間と利回り(売却額)」です。

空室期間は短いに越したことはありません。空いたらすぐ決まる…人気物件であることの証であり、胸を張って満室経営であることを成功体験として発表したい気持ちも分かります。ただし、ここに潜む落とし穴があります。それは、「条件が良すぎること」です。

弊社で算出した最適な想定空室期間は90日(3か月)と設定しています。これよりも下回る場合はユニットが持つポテンシャルよりも低く賃料を設定していると考えており、賃料設定を引き上げる必要があります。空室損が少ない方が利益は出やすいと考えがちですが、表のとおり賃料を引き上げることで年間収入は上昇します。

RC20室、年間の退去数は4室と仮定します。賃料は50,000円で、空室がすべて1か月以内(稼働率約98%)に決定した場合は11,800,800円が年間収入となりますが、賃料52,500円に引き上げて空室が平均3か月(稼働率95%)で決定した場合は年間収入が11,970,000円に引きあがり、月収約1.4万円程度増収となり、年間で約17万程度の増収となります。賃料ポテンシャルを最大化することで収益改善することができました。

  また、賃料を引き上げることで売却額にも影響を及ぼします。売却時の表面利回りを購入時と同じ7.05%と仮定した場合、売却の差額で240万円ほど上昇させることができます。これは単年での計算になるため、複数年所有することでインカムゲインはさらに上昇します。

※算出した数値は小数点2位を切り上げて表示しています。

 

賃料の査定と安全性

賃料の上昇は価値の上昇に繋がることは前述の通りです。ただ、むやみに引き上げるだけでは当然ながら入居申し込みは遠のくことになり、設定した目標はただの絵空事となってしまいます。ここで重要な事は、この建物のポテンシャルを周辺の募集事例を活用して比較することです。比較の方法は二つあります。

  1. 実際に近隣で賃貸募集されている物件との比較
  2. 売却活動中の類似物件の利回りから算出する方法です。

1は賃料設定の精度が高いため、そちらを採用することがタフトではポピュラーです。データベースより情報を選定し、10~100程度のデータから共益費などを含む総賃料・平米数の平均値を算出します。その数値と対象となる建物の設定数値を比較し、平均値よりも低いなら引き上げを行い、平均値よりも高い場合は据え置き、または変更の検討を行います。

平均値さえ分かっていれば実態との乖離を防ぐことが出来る、というだけではなくリノベーションやコンバージョンによって需要喚起を促してあえて実態と乖離させる(平均値を無視して賃料を引き上げる)ことも出来ます。こうして利益コントロール意識しながら賃料を設定していきます。

思い通りの運営は正しい設定から

得られた利益でデジタルステージングなどを導入し、リーシングへの活性化につなげることで空室期間をやや短縮化し、短縮できたらまた次回の空室は賃料を少し引き上げる…といったアジャストを繰り返すことで「狙い通りの収益改善」を実現することができます。

  満室経営にこだわるあまり、急ぎすぎて建物本来のポテンシャルを毀損してしまうこともあるために想定空室期間と実質的な稼働率は常にモニタリングし、PMスタッフと二人三脚でよい建物運営を目指しましょう。

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