SPECIAL TOPICS
先生になりました
宅地建物登録実務講習の講師
昨年夏ごろにご縁をいただき、2024年度の宅地建物士登録実務講習の講師というお役を拝命いたしました。これまでセミナーや勉強会では様々人前でお話しさせていただく機会には恵まれてきましたが、明確な「生徒と教師」という位置づけで人前に立つということは初めてです。自らの理論で体系的に話をするのではなく、予め用意されたテキストなどを元に、明確なゴール(目的)が合格であるためにこれまでの姿勢とは大きく異なります。
とはいえ考えても始まらないので、オファーをいただいた段階でほぼ即決しました。自分にとってもとても良い経験になりますし、何よりご指名いただいたことはとても嬉しいことですので。
講師登録~講義まで
そもそも、登録実務講習を私自身受講したことがありません。下記のとおり、宅地建物取引士の資格を取得した時点で4年の実務経験があったからです。
登録実務講習とは?
登録実務講習とは
宅建合格者の方の宅地建物取引士資格の登録に必要な実務経験2年に代わる講習です。
日本宅建学院 日本ビジネス法研究所 WEBサイトより引用
合格をされても実際の都市計画図や登記簿(登記事項証明書)等をご覧になったことのない方が多いですが、取引士としての実務がきちんとできるように、権利関係・法令制限等の調査→重要事項説明書の作成→37条書面の作成等、取引士の実務の基礎・基本をご勉強して、習得していただく講習です。併せて関連業務等についてご勉強します。
大変重要な講習ですから、合格者全員の受講をおすすめいたします。
https://bho.co.jp/jitsumu/about-2.html
そのため、講義の内容はわかりましたが講義の進め方・進み方は全く未知の領域です。本部からテキスト一式が送られてきましたが、「ここを説明する」といった指示やtipなどは一切ない状態だったので、完全な手探りで当日を迎えることに…と少なからず不安を抱いていました。
そんな状態を心配して、今回の紹介者でもあるCCIMの同期、大阪の恒志くんがわざわざ札幌まで来てくれて重要項目について2時間程度膝を交えて教えてくれました。正直これが無かったら中々厳しい状況だったと思います。
講義の1週間前からテキスト・資料・演習を改めて読み合わせ、必要と思われる個所にマークとふせんを追加。準備を進めて、当日を迎えます。
講習当日
今回は1月の土日を使った2日間×3回で、合計6日が今回の受け持ちです。そして、そのうちの約半分である3日間をメインの講師として担当させていただきました。
1回目でほぼ全てを吸収しなければならないため、講師というよりももはや受講生に近い感覚です。加えて受付から講義におけるタイムマネジメント、重要箇所のチェック、テストの実施や採点、本部への発送などとにかくやることがてんこ盛り。マニュアルもないので本当に見様見真似です。
結果的にこの1回目があったからこそ、受講生の表情をよく観察することができ、自身の講義の際に活かすことができたと思っています。眠そうだな、わからなそうだな、といった雰囲気を感じ取ることができたので、自身の講義の際にはそのあたりを徹底してカバーすることができてよかったです。
いざ実戦
セミナーなど、人前に立つ機会は割と多い方なので緊張することはあまりないのですが、何せ初めての講義のために時間配分だけがやや心配でした。事前に〇章には〇時〇分までに到達する、時間が押したら飛ばして調整するポイントを設定する、などの工夫がうまくはまり、3日間ともつつがなく終了することができました。
登録実務講習を受講される方は一部を除き、基本的には不動産会社・業界に携わったことが無い方々がほとんどです(少なくとも、当教室はそうでした)。そのため、少しでも身近にわかりやすく感じていただけるように補足資料を作成して配布したり、実際の不動産売買実例や仲介、管理を通じた講義や主要都市と地方都市の慣例の差など、これまでの不動産業界に携わった20年間の経験を織り交ぜながら進めていきました。
とても熱心な方が多く、自分がメインで担当させていただきました3日間は居眠りをされる方もほぼ皆無で、授業中も休憩時間も質疑応答が活発に行われました。私自身も知識の言語化を改める良いきっかけが多数あり、生徒から学ぶことの重要性もひしひしと感じました。
最終テストも皆さん無事にクリアし、講師メイン・サブ合計134名の方々を宅建士として送り出すことができたのは充足感でいっぱいです。
今回合格された皆様、これから一緒に良い不動産業界を作っていきましょうという挨拶を締めの言葉と変え、授業を終えました。今年の反省を活かして、来年もまたよりパワーアップして新しい宅建士の皆さんをお迎えする予定です。
1月の休みをほぼ全て使い果たしたため、体力的には中々しんどいところもありますが、興味を持ってこの業界のことを聞いてくださる皆さんの目を見れば頑張る気持ちが湧いてきます。
そんなこんなで、「先生」の活動は終了します。来年もどうぞよろしくお願いします。