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HOMESPECIAL TOPICS賃貸経営において必須となった、北国のエアコン事情

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賃貸経営において必須となった、北国のエアコン事情

北海道=涼しい、は過去の話。気温の今昔

他のコラムでは賃貸をお探しの方に向けての記事を記載しましたが、今回は建物オーナー向けの記事としてエアコンの効果や必要性について記述します。

7月を迎え、ようやく札幌では半袖に袖を通す機会も増えてきました。今年は例年に比べて体感的には少々肌寒い日々が続いていて、毎日報道されている本州の暑さとは裏腹に久しぶりに穏やかな夏となりそうな気配です。

厳しい冬の寒さと積雪を乗り越え、わずかな期間の涼夏を楽しむことこそ北海道の良さでもありますが、近年は上昇する気温に四苦八苦することも少なくありません。おおよそ4月~6月にかけてエアコン設置に関する管理部への問い合わせが年々増えております。年間の管理受託戸数の増加も伴っているため、一概には同じ指標とは言えません(現在はおよそ306棟・2,700戸)が、今年は4月~7月の間で70件を超える問い合わせ件数となり、多くのご入居者から関心を寄せられている課題であることは間違いありません。

変化する札幌の気温と増加する熱射病の数値

こちらは過去40年に渡る札幌の7月~9月の平均気温データです。2023年は24度にまで上昇し、東京の20年平均気温データである26.2度までかなり近づいて来ています。

1980年では札幌と東京では5度近く気温差があるうえ、平均気温が18度だとエアコンは不要でしたが東京に近い気温となれば話は変わってきます。幸いなことに札幌は湿度は常時低いため、熱帯夜にはなりにくく眠りやすい環境下ではあるのでその点は大きな違いと言えます。ただし、日中の気温上昇に伴って過去にはなかった問題が頻出します。それが熱中症です。

2023年は過去最高の救急搬送数となり、大きな社会問題ともなりました。元々は暑さ対策とは無縁の地域ですから、必然的に解決への道筋は長いものとなってしまいます。例えば、東京の小学校のエアコン設置率は100%となっていますが、札幌ではまだ16.5%と大きな乖離があります。このように、公共施設においてもその普及の遅れから熱中症への対策は遅々として進んでおりません。

遂にトップに躍り出た検索ワード

住宅に目を向けてみると、ここ近年ではエアコンの普及率は非常に高くなってきました。新築住宅ではほぼ間違いなく設置が進み、ストーブ+エアコンという北海道ならではの空調ハイブリッドが見受けられるようになりました。

こちらは弊社で契約している札幌のポータルサイトのデータです。バストイレ別を追い越し、遂にエアコン付きがトップに躍り出ました。時期的なものも当然ながらありますが、それでも北海道という地域でこれほどエアコンが重宝されるようになったということは、過去からみるとかなり衝撃です。

ちなみにここでいうエアコンとはもっぱら冷房の事を差し、暖房機能に関しては部屋に備え付けのストーブがあることからほとんど語られることはありません。肝心なことは、冷房機能があるかどうか。ただそれだけです。

なお、基本的にエアコンを使う時間帯は日中~夜の時間帯で、深夜~朝は外気温が程よく下がることや湿気がないために過ごしやすく、稼働する日はそれほど多くありません。寝るときに窓を開けて風通しを良くしておけば、昔よりも夏日が続く現代でも寝苦しいといったことは少ないかと思います。

検索条件の組み合わせによるエアコンの重要性

エアコンは複合的な効果を生み出します。前述したとおり、基本的には日中に稼働することが多いエアコンですが、以前であれば「勤めに出ていて日中は家にいないから不要」という声も多く、普及率が低い要因でもありました。それが今や「自分ではない、だれか」のために設置を希望することが多くなってきました。

例えば、検索順位3位のペットに対してのケア。窓を開けていても厳しい暑さの場合はエアコンをつけっぱなしにして快適に過ごして欲しいという想いから、エアコン+ペットの組み合わせはかなり高い効果を生み出します。同じように、

  • 高齢者
  • 子供、家族
  • 在宅ワーカー

上記の属性の方々にも大きな効果をもたらします。エアコンは、もはや必須と言っても過言ではない設備となっています。

設置費用と費用対効果

賃貸経営において、設置に対してどれくらいのコストが掛かるのかは気になるところ。まずは設置費用ですが、バルコニーが備え付けられている場合はバルコニーへの室外機設置で問題ありません。ない場合は、積雪による室外機の破損を防止する対策として、架台を設置して床面からの高さを確保したり、壁面にアングルを設置して壁付けにするなどの工夫が必要な場合があります。また、屋上にまとめて室外機を設置する場合もありますが、こちらも架台で高さを出す必要があります。

屋上に設置した室外機の様子

基本コストとしては設置に当たって5万~7万の費用が機器代とは別に必要となります。これはあくまでも基本料となりますので、外壁穴あけやコンセントの増設、ブレーカーとの連結作業などが加わると費用は当然に加算されます。

それでは、機器代はどれくらいかというと、最もスタンダードな性能を持つ6畳用だと5万~~7万。それ以上は1.5万程度ずつ上昇しますが、12畳と14畳では価格差は数千円であることから、コストパフォーマンスが良いのは6畳と14畳の商品であると考えています。

性能差ですが、下記のように対応畳数がそれぞれ異なります。

よくある疑問として、10畳や12畳の広さであれば6畳用だと部屋がきちんと冷えるのか、という点が挙げられます。結論から申し上げますと、大きく体感出来るほどの違いはありません。もちろん小さな容量で大きなお部屋を日安となれば機器への負担は大きくなりますが、北海道の夏は本州ほどの暑さではないことや夜は穏やかな気候になることから、個人的には6畳用の冷房機能でほとんどの賃貸住宅は賄えると感じています。

14畳用以上を検討する場合は、分譲マンションや戸建てなどかなり大型の住宅で広範囲を冷却する時です。その中でも最もコストパフォーマンスに優れているのは14畳用です。12畳用と比べて本体価格がさほど変わらないこと、18畳用以上は電源を多くの場合200Vに変更する必要があるため、工事費用が嵩んでしまうことからバランスがよいのは14畳と言えます。

 

節税効果と総散在収入を引き上げる設備

 例えば、工事費込で15万円の6畳用のエアコンをアパート10室に導入した場合、150万の費用が掛かります。導入する際に賃料を3,000円引き上げることで、年収36万円の増収に繋がります。これだと4年少々の回収ですので、投資としては少し効果は弱めかと思われますが、退去の抑止と入居促進に繋がるため、空室損が減少することが期待できます。また、利回りの上昇を狙うことでキャピタルゲインの増加にも期待できます。

更に1台15万円であれば「少額減価償却資産」を選択することが出来ます。一括で償却するか、3年に渡って取得価額を減価償却するか。例えば、入退去が少なく修繕もほぼ発生しないで黒字額が大きな年であれば一括償却して黒字を圧縮し、その逆であれば3年間の減価償却に切り替えて財務コントロールすることで節税効果を引き上げることができます。注意点として、少額減価償却の最大額は300万円までであること、個人事業主の場合は青色申告のみが適用となります。

導入して間違いない設備、エアコン

いかがでしょうか。入居者にも喜ばれ、建物価値も増加する。ネット無料や追い炊きなど、入居者が欲しい設備ランキングとは少し異なる結果となったエアコンですが、現代のニーズにマッチした設備です。特に本州にお住まいのオーナーは北海道のエアコン普及率の低さに驚かれる方もいらっしゃるかと思われますが、設置すると空室対策や退去防止には大きな効果を発揮します。是非ご検討くださいませ。

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