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HOMESPECIAL TOPICS求人から見る市況と調査

SPECIAL TOPICS

求人から見る市況と調査

ありそうで、まだ無い変化

いよいよ緊急事態宣言が全国的な解除。…ですが、我々の業界はさほど変わるものはなく。多くのエージェントもPMスタッフもリモートワークはどこ吹く風、今日も元気にカウンター接客からの車中案内・居室案内と中々ロングな「密」を展開中。
某店舗ではエージェントもクライアントもアゴマスク同士で談笑する姿が輝いていました。1階路面店舗でそりゃやめたほうがいいぜ、と横目に愛車(自転車)で建物調査やら何やらソロ活動中です。

ウチはウチで店舗クローズしてからそろそろ1ヶ月半が経過しようとしています。
売上を最低ラインで計算し、その状況下がどの程度続いたら危険水域なのか、運転資金の借入実行ラインをどこで試算するか…などなど、色々計算したところ、「まぁなんとかなるでしょう」という試算が成り立ったので、営業チームは今日も元気に引きこもり・時々外出です。
当然例年に比べると売上は低調ですが大きな減少ではなく、想定の範囲内なので現段階では問題なしです。

ナマケモノ論

出張も無ければ会食もなく、当然ながら経費は自動的に削減されます。引きこもり+自粛という構図はさながらナマケモノ。「強いものではなく、変化するものが生き残る」をまさに地で行く生き物ですが、変化が強烈に求められる時代にピッタリの象徴です。マリー・アントワネットの名言をひっくり返すような「食べるものがなければ、体温下げて消化しないようにすればいいじゃない」という体質は私の「過ぎたる部分」を常に戒めてくれます。

※名言の諸説は様々ありますが、ここでは一般的に浸透している用法として記述しました

そんなナマケモノリスペクトの私ですが、自宅の個室でPCカタカタ叩きながらうっすら気づいていることがありました。

「4月・5月は会社経費1円も使ってない…」

そりゃそうです、誰とも会ってないし、どこにも行ってない。強いて言えばガソリン代位ですが、PHVな上に最近は自転車活動が多いので2~3回位しか乗っていないし。多分ガソリン代200円位です。半強制的に、というよりもほぼセルフでナマケモノスイッチが入った我々は勝手に「経費削減」に成功していたのです。

※自宅の光熱費が上がったんだけど、と妻からの報告があったのはさておきです。

求人数から見る景気後退

閑話休題、ここからが本題です。
そもそも我々が省エネモードに突入したきっかけは、国内外問わずリセッション(景気後退)への突入を余儀なくされそうだから。

今回はミクロな地域視点での具体的な「景気後退」の中身を分解してみたい…雰囲気的なものではなく、実際の対比数値で表すことが出来ないかどうかを考えてみました。全国規模で算出しても北海道は大きく市場が異なりますし。また、職業紹介のデータも2ヶ月遅れでの表示なので、確実な現状を把握するなら直接調べた方が早いと感じました。

実は3月初旬に不動産業界において、求人に関するアンケートを配布していました。札幌を中心に30社程度のサンプルをいただき、それを可視化して「業界の今」を求人から解析しようと考えていました。

「人材不足」

今回の9つの設問で、変化がもっともわかりやすい設問がこちら。
「人手不足か否か」
左が前回、右が今回です。

3月では人手不足と感じる企業が半数を超えていましたが、わずか2ヶ月半でキレイに割合がひっくり返り「人が足りている」状態です。3月初旬では現在に比べると本格的なコロナ禍と呼ぶにはまだ少しだけ早い状態でした。この数日前といえば、ちょうどクルーズ船の下船が完了した頃ですね。10日前後から世界各国との交流を控え始めた時期でもあります。

求人予定

別の設問で、求人予定の有無をヒアリングしました。「いますぐ人が欲しい」という法人が24%いたという前回のデータと比べて今回は0%。

「いい人がいれば欲しい」というニュアンスが前回と今回で微妙に違う雰囲気で、前回に比べて全体的にネガティブな印象が漂います。

札幌近郊の求人状況

また、別件で求人情報社との意見交換を行い、現在の札幌(近郊都市を含む)の求人状況をヒアリングしました。2020年5月度の求人数は昨年の現在に比べて56.75%と大きく落ち込んでいる状況です。

特に飲食・宿泊業に関しては昨年より92%減の求人数となっていて、まさに「底」を実感するインパクトのある数字です。大手チェーンも続々大量閉鎖を確定しているため、当然ながら我々の不動産業界にも少なからず影響を及ぼすことでしょう。

数字から鑑みる問題点

一部を除き、不動産業界は比較的まだ堅調な方だと感じています。特に不動産管理業を中心とした会社はそもそも良くも悪くも景気に左右されにくい特性を持っています。

…んー、ただ一つ気になる点が。前述の通り、管理業に関しては売上は左右されにくいのですが、当然ながら作業量も変わりません。むしろ、このStay Home戦略のおかげでソフトクレームは大盛況です。騒音?ゴミ捨て?めっちゃ鳴る。電話が。クレーム分だけガンガン作業量増えてる気がします。Zoom飲みは思ったより声のボリューム出るので気をつけましょう。テイクアウトしたらゴミ分別はちゃんとしよう。そんな感じです。

現場単位で考えると、将来的なものはともかく、いきなり求人が減っちゃマズいんです。「景気悪い→採用控える→管理スタメンの過労止まらず」のコンボが展開しちゃうので。属人化した作業から抜け出せない管理会社のスタッフは相当大変かと。離職するにも求人が減っている現状では中々抜け出すのも勇気がいることでしょう。

北海道の中でも、既に離職が進んでいる地域や職種が見受けられます。人材でお困りの企業は、市場がネガティブに傾く今が優秀な人材を確保するチャンスとも考えられますね。

結論

  • 求人減は過去最高レベルの落ち込み
  • 不動産業界はまだ直撃を避けているが、影響はこれから及ぶ
  • Stay Homeは見えないところで様々な弊害発生

願わくば、医療従事者や小売と同じように不動産スタッフにも優しい一声掛けてください。それだけで報われます。

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